〜 クエを獲るカギは釣り場だ 〜
【ポイント編】 |
東は房総半島、伊豆七島、西は大隈半島、南西諸島まで、全国にクエの釣り場は数多くあるが、私が推薦するのは伊豆半島石廊崎沖合い約50`に位置する神津島だ。黒潮の影響を受け、クエの魚影の濃さは国内屈指である。 島の広さは約19f、ナゴヤドーム約4個分。本島沖0.5`に祇苗(ただなえ)群礁、南西沖約4`には恩馳(おんばせ)群礁と釣り場は広く、クエポイントも多い。祇苗群礁オネモ、平段、新島向かい、恩馳群礁カド、ヒラッタイ、大根。本島の周りで横瀬タタキ根、長崎、金長鼻、平海女根、白根など全ての釣り場で実績をあげている。特に勧めたいのは港近くの白根、本島南の平海女根。 |
伊豆七島全体図(左)と神津島、恩馳群礁 | |
クエをかける。足元にイワシの撒きエサ。 |
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白根 港近くの釣り場 |
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平海女根 本島南の釣り場 |
どこで釣りをするかは当日の海況、潮の流れを見て決める。釣り場が決まり、渡礁後、道具類は波のかぶらないところへ上げ、釣り場全体と潮の流れをしっかり見た上で足場の良いところを選ぶ。 竿受をセットする岩の割れ目や穴はあるか、竿は振りやすいか、取り込みに適したところは足元のハエ根の出張りを見た上で釣り座を決める。 クエ釣りにはクエ竿のほか、根がかり切り用の竿が必要。ディープシャークを外し、オモリをつければ底を探ることができる。繰り返し底を探ることで海底の状態をある程度把握できる。(ここはと思う沈み根の辺りに、撒きエサが流れていくように潮上から打ち、狙うポイントを作る。) |
【撒きエサ編】 |
図)撒きエサでポイント作り |
※トロ箱のイワシは水で溶かす。 ※凍ったイワシは網に入れ、潮上に吊るす。 |
足元にはトロ箱に入ったイワシを置き、溶かしては刻んで磯際に撒く。凍ったイワシは網に入れ、更に潮上に吊るす。狙うポイントに撒きエサが溜まり、その先の岩穴や洞に潜むクエをおびき寄せられるようにエサを打とう。 クエへの一番の近道は撒きエサだ。竿受のセッティングの時も、仕掛けの準備をする最中にも撒きエサは絶やさない。磯に渡って30〜40分、撒きエサが効き始め、足元にイスズミ、タカベ、チョウチョウウオなど小魚やウツボがイワシに群がってきたところで開始。 潮溜まりで溶けたサバをハリにかけ、緊張の1投目。潮上に投じた仕掛けは潮に押され、撒きエサが溜まる根際に、トトントン…とウツボ特有のアタリ。クエ釣りはウツボに始まり、ウツボに終わる。 ウツボとの闘いは避けては通れない。やっかい者のウツボと上手く付き合い、ウツボの猛襲が途絶えた時は、得体の知れぬ大物が撒きエサに寄ってきた兆しである。 本命のクエなのか、外道のエイかサメなのか。魚種によって、前アタリからエサのかじり方、竿の入り方もそれぞれに特徴がある。それらについては次頁の釣り方編(クエと大物外道)で順次説明していきたい。 |
白根にて、30`クラス | 恩馳 大根にて、30`オーバー | |
愛用する樫の柄のギャフで取り込む。 |