〜 クエ竿で仕留めた157aのヒラマサ 〜
【釣り場 孤礁イナンバ】 |
日本記録のヒラマサと出会ったのは24年前の夏の暑い日だった。昭和59年8月、釣り場は御蔵島南西沖35`の孤礁イナンバ。下田港から約120`、瀬渡し船で約4時間を要する。 この頃、なぎをみてはイナンバに釣行していた。実はヒラマサと遭遇した10日程前、7月末のなぎの日もイナンバの右本場でクチジロを狙って竿を振っていた。当日は潮切れも良く、3〜7`が10数尾と上々の釣果だったが、手放しで喜んではいられなかった。目の前で漁師が10〜15`のヒラマサをはじめ、20〜30`クラスのカンパチ、中には50`を越す大型を釣り上げていた。 |
伊豆の孤礁 イナンバ |
当日の潮の流れ |
この頃は現在使用しているチタン製の軽くて使い易い竿受などはなく、リング式ピトンを使っていた。元竿の上部にT字金具を取りつけ四方にロープを張り、超大物に挑んだ。 4ノットの激流(黒潮本流)が右本場にまともにぶち当たり、御蔵島へと波打って流れ、四畳半のポイントには反転流が渦巻いていた。マキエのカタクチイワシを細かく刻み、潮で溶かして足元に撒く一方、アミエビを撒き、サビキ仕掛けを垂らすとムロアジが入れ食い。 釣れたムロアジを、即カンパチ狙いの40号のハリを背がけにして足元に入れてやると、沖の深みに向かい泳ぎだす。20b程出たところで何かに追われスピードが上がる。鳴きバネとエキセントリックレバーを入れた瞬間ゴツンとアタリ、ムロアジが取られる。急いで釣りたてのムロアジをかけて投げ込む。 ある程度沖に出たところでレバーを入れると同時に、ドラグを緩めて鳴きバネを入れる。獲物がヒットしそうな潮目の辺りまで道糸を手で抜き、送り出してやり、頃合いをみてマキエの及ぶ範囲で止める。マキエは絶やさず、仕掛けが入っている辺りに流れて行くように撒く。柄の長いマキエ勺で仕掛け辺りに直接撒いてもよい。 カンパチが回ってくるとエサのムロアジが、敵から逃げようと道糸を勢いよく引き出し出す。この機を逃さず、緩めておいたドラグを徐々に緩めていく。(急に緩めすぎない)獲物がかかった瞬間、竿は絞り込まれドラッグが回転、道糸が走る。慌てず焦らず適度にドラッグを締め、闘いが始まる。 獲物は4ノットの激流に乗り、沖へと突っ走る。すごいスピードで道糸が出て行ていく。「カンパチだ!!」ドラグを締める。竿が極限まで絞り込まれ道糸の出が徐々に止まる。ヤツは反転、潮目をかわすと勝負は見えた。 左手で糸を抜いては巻き取る。あと10bだ。水面下を魚影が走る。ドラグを少し緩め、取り込みに入る。巨大な獲物がドカンと浮いた。ハリがかりを確認。ギャフを打ち込み、気合もろとも引き上げた。 なんと、157a、30.8`の巨大なヒラマサだった。 |
【奄美式4点張りの図】 |
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四畳半のポイント |
仕掛け及びエサのつけ方 | |
エサのムロアジ(中央) | |
がまくえ70号,ペン9/0L,道糸100号 4点張りで日本記録のヒラマサ |
船上にて エサのムロアジを釣ってくれた長男と |